名物特撮シリーズで日本のSF文化を向上させた東宝は、アメリカホラー映画代表格キングコングとの対決により長期間埋もれていたゴジラを復活させた記念碑的傑作である。製薬会社の視聴率合戦での宣伝部長有島一郎のアイデアでテレビ局凸凹コンビ高島忠夫・藤木悠を南洋の島派遣から、コメディタッチの展開に終始する中、コングのタコとの格闘を発端に、日本への移送、ゴジラとの手合せ、高島の妹浜美枝を手にして国会議事堂での攻防、吊り下げられて富士山麓でのゴジラとの決戦と、見せ場はコング中心の配慮が見えた本多猪四郎監督、円谷英二特技監督作品。結局大ヒットし怪獣タイトルマッチが開始されシリーズ化したが、本作を超えるものは無かった。
