叡福寺清子

キングコング対ゴジラの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

キングコング対ゴジラ(1962年製作の映画)
2.8
クールでかっこよかった親戚のおにいちゃん.法事で7年ぶりに会ったら熱湯風呂で「押すなよ!絶対に押すなよ!!」ってやるような芸人になってました.本作のゴジラを観てそう感じた.以前観たのは40年前小学生ぐらいだと思う.なのでほぼ初見と言えよう.いや,ホント驚いた.ゴジラの軟弱化もそうだが,すでに怪獣プロレスのフォーマットが出来上がってる事にも,だ.ゴジラアイドル化の萌芽が3作目で形成されていたとは,軽く悲しくなった.
物語自体もかなり粗が目立った.いつの間にかコングが巨大筏に載せられたり,いつの間にかゴジラが上陸したり,藤田一雄の言う事に一貫性がなかったり,等々.この点もちょっと拍子抜けしてしまった.
数少ない救いは脚本がチラリと光っていた事とネタが回収された事である.
1962年作なのに極の氷解に言及したり,民放が開局してわずか9年の時代に聴衆率(視聴率)至上主義に言及している脚本は評価せざるを得まい.有島氏の演技もあって多胡宣伝部長こそ本作のヒロインに相応しい.またファロ島の赤い実やダンス,東京製綱の新製品を回収している事もおぉってなった.
でも個人的にはゴジラ過去作これ以上観ないだろうなぁ.
なお,2018年の1月に視聴した都合上,どうしたってファロ島の人らと浜田マーフィーを関連付けてしまった.このネタも5年後にはなんのこっちゃってなるのかもしれないが.