爆裂BOX

13日の金曜日PART8/ジェイソンN.Y.への爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.5
クリスタルレイクで再び復活したジェイソンはニューヨークに向う卒業旅行の高校生を乗せた客船に乗り込み殺戮を繰り広げる…というストーリー。
「13金」シリーズ8作目にしてパラマウント制作による最後の作品でもあります。本作の興業の失敗からニュー・ライン・シネマに売却され、しかしそのおかげで「エルム街の悪夢」とのクロスオーバー作品が実現したわけですから怪我の功名とも言えますね。
前作で超能力少女との戦いで湖に沈んだジェイソンがケーブルが切断されてその電流で復活し、手始めにリア充カップルを血祭りにあげて卒業旅行にニューヨークに向う高校生たちの乗った客船に乗船し、次々と殺していきます。「ニューヨークへ」というタイトルながらニューヨーク舞台になるのは後半30分くらいでそれまでは客船内でジェイソンが暴れる海洋パニックホラー調な展開になっています。当初はパート8がクルージング編でパート9がニューヨーク上陸編で企画されたみたいですが、パラマウントの要求で一本にまとめたんだとか。だからか詰め込まれた印象も受けます。やってる事は何時もと同じ殺戮ですが、シュチエーションがキャンプ場から客船内になって少し新鮮味はあるかな。
水中銃のモリで刺したり、サウナの焼けた石を胸に突っ込んだり発電機に投げつけて感電死させたり、パイルドライバーで廃液の詰まったドラム缶にぶちこんだりと相変わらず多彩な殺人方法見せてくれます。直接的な人体損壊描写はあまりないですが。
水恐怖症でトラウマを抱えたヒロインや高圧的で過保護なその叔父、ヒロインに親切な女教師や、好意を持ってる船長の息子、黒人ボクサーに何時もカメラ抱えてるカメラオタクなど登場人物もそれなりにキャラ立ってると思います。オタク君と腐れ縁っぽいロック少女がイイキャラになりそうだったけど早目に退場して残念。ビッチキャラがヒロイン海に突き落としたり中々悪辣。殺される所はちょっとスカッとした。いつも一緒にいるその友達役でケリー・フーが出てました。後、すぐ行方不明になって何時の間にか戻って来てるヒロインの飼い犬も可愛かった。
ヒロインがトラウマに苛まれてみる子供時代のジェイソンや、ヒロインと叔父の関係性などストーリーもちょっと工夫しようとしてる所見られますね。
後半のニューヨークに上陸してからは、ヒロインたちを追い回すことを優先して思ったより暴れませんが、ヒロイン連れ去ってレ●プしようとしたギャングを俺の獲物を奪うな!とばかりに殺す所はちょっとダークヒーローみたいになってて面白い。デカいホッケーマスクの看板見て首傾げたり、ラジカセ蹴り飛ばされたことに怒ったギャングたちに素顔見せてビビらせて退散したりとコミカルな一面も。どうせならあのギャングたちも殺して暴れてほしかったけど。ダイナーでジェイソンに投げ飛ばされる店員は本作でケイン・ホッダーのスタント担当して後の「フレディVSジェイソン」でジェイソンを演じるケン・カージンガーなんですね。
ジェイソンを演じてるのは7作目から続いてケイン・ホッダーですが、やっぱこの人のジェイソンが一番迫力ある気がするな。ガタイいいからジェリアスにノーガードでボコボコに殴らせてから一発で首吹っ飛ばす怪力ぶりも説得力あります。終盤で明らかになる素顔の腐れっぷりも気持ち悪くて良いですね。
ラストはそれで倒れるの?という感じですが、その後子供の姿に戻ったのも「?」ですね。
かなり評判悪い作品ですが、個人的にはそこまで酷いとは思えず結構楽しめました。