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ギターはもう聞こえないのmarthaのレビュー・感想・評価

ギターはもう聞こえない(1991年製作の映画)
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ストーリーや監督の体験が元であることや、モデルがいることも分かった上で鑑賞。とにかく静か。足りなすぎるくらいの音楽に音。セリフ。
現実味のない生活環境、主人公たちの職業も分からないけれど、マリアンヌがドイツ人であることだけはやたら強調される。
突然やってくる数々の女。風呂での食事。おしっこしながらのキス。

そしてやけにスポットライトを浴びるドラッグ依存。その問題だけが唯一、現実味を纏う。

フィリップガレルはニコに捧ぐと言っているが、彼は彼女に何を伝えたかったのだろう?

私たちにとっては、正直人の死も愛について語ることも非現実的だ。それより日々、電気代を払うことや食べ物を食べること、嫌々ながらも働くことが"生きる"ことである。
創作にそれらを持ち込むか否かは創作者の自由であるが、私は吉本ばななの本を読んだ時のような感覚をこの映画に受けた。

友人に勧められて観た。そのことが嬉しかったのでスコアはつけない。これを理解できる私の友人はすごいセンスの持ち主なんだろうな。改めて自分の凡人ぶりを再認識した。

正直理解はできなかったが、フランス人がフランス人として愛に生きてきた証拠がこういった映画であり、またそれが芸術として受け入れられているのだから、世界は広いと感じる。

あと気になるのは、この映画のジャケット?のメイン写真が何故、女性2人であるのかという点。謎だ。

そして映画に全く出てこないギターがタイトルにあるのは、マリアンヌのモデルのニコがバンドマンだったから??
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