Sari

ギターはもう聞こえないのSariのレビュー・感想・評価

ギターはもう聞こえない(1991年製作の映画)
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2019/06/18 名古屋シネマテーク


フィリップ・ガレル監督の亡き妻ニコ(ベルベット・アンダーグラウンドの歌姫。1938年〜1988年)との愛の日々を綴った私映画 と呼ばれるが、
映画の中で事実になぞらえる部分の多くは排除されている。
その為、印象的なのは画面の柔らかな中間色と人物の顔のズーム、そして言葉で語る「愛」のオンパレード。
印象に残るのはトイレのシーン。
日常の中の何気ない幸せが溢れていて良かった。
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人を愛おしく思う気持ちを、的確に言い表わすのは難しい。
それがどれほど好きだと思える相手であっても、結局、愛なんて目に見えないものだし、人の気持ちも移り変わる。
本当の愛かどうかなんて、相手に先立たれるか、居なくなってしまわないとわからないのかも知れない。
それとも永遠にわからないかもしれない。
監督が描きたかったものは愛の不確かさ、なのだろうか。
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ヨハンナ・テア・ステーゲは『バニシング』同様、ブロンドのカーリーヘアが不思議な印象を残す女優。
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