みおこし

トム・ジョーンズの華麗な冒険のみおこしのレビュー・感想・評価

3.8
アカデミー作品賞を観よう第17弾!!あと5本だ〜!!ずっと観たかったのに、スカパーでも、動画配信サービスでも、TSUTAYAディスカスでも観られず...。ついに大きな駅のTSUTAYAにあったVHSを借りるという最終手段に出ました(笑)。テープのキュルキュル感、久々だったなあ...。1963年度アカデミー作品賞受賞作。

原作は18世紀に英国で出版された文学。私生児として生まれたトム・ジョーンズは、無類の女好き。それが原因で、行く先々でトラブルに巻き込まれるが、幼なじみで意中のソフィーと結ばれるべく奮闘する。

感想を一言で表すなら「何これ!超面白い!!」です。(笑)さすがアカデミー作品賞!!なんでこんなにmarks数が少ないんでしょう。
イギリス文学の映画化って絶対に重いんだろうな、と覚悟してたんですがむしろ心配になるくらい、お色気満載のドタバタコメディ(笑)。オスカー作品賞としてはかなり異色な雰囲気。女性を見るともう止まらないトム・ジョーンズ、トラブルに巻き込まれる原因も大抵女性問題なので、救いようがない。でも、何なりとそれを切り抜けて飄々としてるトムが途中からものすごくカッコよく見えてくるからスゴイ。
でも作中で「こんな美男子は見たことない」って女性みんなに言われてて、アルバート・フィニーってイケメンなのかなと思ってしまいました(笑)。ポワロ役とか、空想好きなおじいちゃんとか、コミカルなイメージが強いから、なんだかとても違和感...。
ソフィー役のスザンナ・ヨークが、とにかくまっすぐにトムを想い続ける役で可愛かった〜。だからこそ彼女を泣かせるトムが腹立ちますね(笑)。

脇を固める役者陣がとにかく個性的。
ヒュー・グリフィスとイーディス・エヴァンスは英国を代表する役者さん、本作で2人ともアカデミー賞ノミネートされていますが、それぞれトムを助けもするし痛めつけもする役で存在感抜群。
「あばずれモリー」(笑)役のダイアン・シレントもすごく美人なのに、絵に描いたような悪女役を嬉々として演じてて面白かった!!

あんまり時代劇だと思って構えなくても、気軽な気持ちでサクッと観られるコスチュームプレイ・コメディ。とにかくテンポが良いし、ラストもスカッとします。当時の貴族社会の習わしや、綺麗な衣装やセットはとにかく忠実に豪華に再現されていて、スケールも満点。この爽快感、そしてお気楽要素、清々しい...!!オスカー作品は重いものが多いけど、この頃はきっと明るい映画を世相が求めていたのかな...なんて思いつつ。
DVD化してくれたらもっといろんな人に観てもらえるのに、なんだか残念...。
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