にへー

ドイツ零年のにへーのレビュー・感想・評価

ドイツ零年(1948年製作の映画)
3.9
第二次大戦直後のベルリン。12歳のエドムンドは家計を助ける為になんとか働こうとするが、子供である為に働かせてもらえない。
家族は父が病気で寝たきり、兄は元ナチ党員である為にその事が世間に知られるのを恐れて働かない、姉はそんな家族を支える為に夜の酒場に出かける。
エドムンドはなんとか、働けないかと家主に掛け合ったり、仕事を探して街を徘徊するが……

R・ロッセリーニ監督の戦争三部作の三作目。

この映画でも、ロッセリーニは坦々と非情。

実際に戦後間もないベルリンで撮影されたので、連合軍の攻撃によって崩れた街並みに説得力がある。

物語はとても辛い内容で、見終わるとズーンと重い気持ちになる。

生きる為とはいえ、大人達が汚い。貧乏は人の心も貧しくさせる。
戦争が終わっても、戦争によって起きた経済の危機的状況は、当時リアルタイムで起きていた事で、その辛い現実は描かずにはいられない事だったのだろう。

ネオリアリズモのもう一人の代表監督であるビットリオ・デ・シーカ作品も昨年末から少し見てるけど、ここら辺の映画を続けて見るのは重すぎてお勧めしません。

個人的には、三部作の中でこの映画が一番印象に残りました。というか子供が酷い目に合うのは本当に辛い。
にへー

にへー