たけちゃん

史上最大の作戦のたけちゃんのレビュー・感想・評価

史上最大の作戦(1962年製作の映画)
3.8
有名な史上最大の作戦、犠牲者の数に涙せよ!


監督ケン・アナキン(イギリス関連部分)、ベルンハルト・ヴィッキ(ドイツ関連部分)、アンドリュー・マートン(アメリカ関連部分)1962年製作
主演ジョン・ウェイン、他


シリーズ「娯楽映画で振り返る第二次世界大戦」
第5弾「史上最大の作戦」

いよいよ1944年6月6日、ノルマンディー上陸作戦、いわゆるD-Dayの決行日です。



今日は8月15日、終戦記念日でした。テレビでも様々な記念特番が放送され、切ない話をいくつも見ました(T_T)

「日本の一番長い日」などを観ていると、この期に及んでも戦争続行を称える勢力が多かったことに愕然としますよね……。




さて、また、簡単に当時の状況・戦況を説明しておきましょう。←とばしてもいいよん(^-^)


1941年5月、バトル・オブ・ブリテンの敗北でイギリス上陸作戦を諦めたドイツは、戦果を東部戦線に求めるようになります。

1941年6月、独ソ不可侵条約を破棄し、ソ連に侵攻をはじめました(独ソ戦)。1942年中盤までには、ヨーロッパの大半と北アフリカ、そして、U・ボートの活躍もあり、大西洋上の航路などを圧倒的優勢を持って支配します。


しかし、1943年2月のスターリングラード攻防戦での敗北(いつか、スターリングラードもレビューしたいなぁ)に始まり、東部戦線におけるドイツの戦況が非常に苦しくなり、戦局上、大きな転換点を迎えます。

また、一方、イタリアを中心とする北アフリカ戦線は、イタリア支援のために送られ「砂漠の狐」と恐れられたロンメル元帥などの活躍もあり、大きな戦果を残したが、それも1942年後半には状況が逆転、大きな後退を余儀なくされていた。

翌1943年5月には枢軸国は降伏し、1943年7月に連合軍はシチリア島に上陸、ムッソリーニは解任され、1943年9月にはイタリア王国は降伏することになります。その後はドイツがイタリア半島をも占領する事態となり、最終的には1945年5月に終結を迎えるまで戦闘は続けられるが、反攻に出る力は残されていなかった。


このように、東部戦線や北アフリカ戦線での趨勢が連合軍に傾き、外堀が埋まっていった中、いよいよ西部戦線における大規模な占領地奪還作戦が立案、実行に移されることとなるのです。これが正式名称を「オーバーロード作戦」という「ノルマンディー上陸作戦」なんです( ˘ ˘ )ウンウン




さて、映画に戻ります。

作戦自体は「プライベート・ライアン」でご存知の方が多いかもしれませんね(^-^)

この作戦に参加した兵士の中には、あのダンケルクで救出されたメンバーも多く、救出作戦の成功がここに繋がっていることを確認できます!映画の中で「ダンケルクの恨みをはらせ」というセリフがあるくらいです。


映画「史上最大の作戦」は、D-Day決行前夜から決行日までの連合軍、ドイツ軍の様子を、あたかも記録映画の如く描いた大作です。ジョン・ウェインにはじまり、ヘンリー・フォンダ、ロバート・ミッチャム、ショーン・コネリー、そして、ドイツ側ではクルト・ユンゲルスなど、まさにオールスターキャストの装いで描かれます。


連合軍、ドイツ軍と場面が切り替わり、また、陸軍、海軍、空軍と話が進むので、分かりにくいと言えば分かりにくい。制服とかよく見ていないと、何が何だか分からない人も多いだろうなぁ。大局的に描かれるので、個人に感情移入しづらいのも仕方ありませんね( ¯−¯ )フッ

また、残念ながら、やはり、戦勝国の連合軍側から描かれた歴史であるという部分は気になると言えば、気になります。



作戦決行日は20年に1度という嵐で、油断していた滑稽なドイツ人将校の姿も描かれるし、ドイツ軍側が大規模上陸作戦にはイギリスからも近く、ダンケルクの横に位置するカレーを主要目的地だと予測し迎撃準備してたのだが、連合軍は意表を突いてノルマンディーを上陸目標に定めたことで、現場のドイツ軍が大きく動揺した姿も描かれています。


カナダ軍やイギリス軍が担った上陸地は、比較的犠牲も少なく作戦が行われたのだが、アメリカ軍が主に担当したオマハビーチが1番の激戦区だったのは、この映画を観ても分かります。プライベート・ライアンで描かれる通りです(T_T)


映画はわずか1日の姿しか描いていませんが、しかし、この嵐の影響で、連合軍側も上陸目標を大きく外し、また、ドイツ軍の予想以上の抵抗で、最終的に作戦終了まで2ヶ月かかったことを忘れてはいけません(>_<。)💦


最終的に上陸した連合軍は200万人、戦死者はドイツ軍11万人、連合軍12万人という史上最大の作戦。歴史の記録に留めることなく、しっかりと記憶しておくべき軍事作戦です(。・ω・。)ゞビシッ!!




それにしても、改めて観て、知らなかった話も多かったなぁ……。

あれ~?映画のタイトルのところ、ベートーベンの運命で始まるんだ~。知らなかった……途中もちょいちょい流れてる(笑)

ポール・アンカが作詞作曲したという有名な「史上最大の作戦のマーチ」はエンディングで流れるんですね。忘れてました( ¯−¯ )フッ



細かいところでは、工兵部隊の活躍に胸が熱くなりました。フラー軍曹……(T_T)



さあ、次回はオーバーロード作戦に続いて実施された史上最大の空挺作戦と言われる「マーケット・ガーデン作戦」を描いた「遠すぎた橋」でお会いしましょう(๑•̀ •́)و✧