からげんき

アレックスのからげんきのレビュー・感想・評価

アレックス(2002年製作の映画)
3.3
エンドロールから始まる映画

斬新で好き

映画が進むにつれて時系列が前に遡ってゆくのが特徴的な映画であり、何が起きたのかを解明していく謎解き的な映画でもない。

カメラワークも酔っ払ったかのように常にグルグルしてるのが映画が進むにつれて落ち着いてくる。
場面も嫌悪感を催す台詞・映像から徐々に綺麗になってゆくのが面白い。

話的にもただ最初に最悪なものを見せられて、そこに至るまで過程を遡ってるだけ。
最悪なことがほんの些細な行動で防げたかもしれない。
自動車学校の講習みたいな映画。

ストーリー的に大きな仕掛けがあるわけではないので、凄惨な場面から徐々に幸せそうな日常パートに移ってゆくのがキツい。

この後に何が起こるのか知ってるか知ってないかで見え方が変わってくる。そんな変化を楽しむ尖りまくった映画だと思います。

調理法次第でめちゃくちゃつまんない映画にもなり得る構成なのですが、場面場面の伏線も最小限にあって点と点が繋がる要素もあるので興味の持続は割りとしっかりあります。

「時間は全てを破壊する」「未来のことは全て決まっている」少しだけ台詞で説明される映画そのものを表すようなエッセンスが多すぎず少なすぎずで良い塩梅です。

映像というよりも手法そのものを用いて未来への不安や後悔、苦痛を感じさせる前衛的な映画です。
からげんき

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