カタパルトスープレックス

今年の恋のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

今年の恋(1962年製作の映画)
3.4
木下恵介監督によるロマンティック・コメディです。今のテレビドラマでもあるような王道で、かわいらしい作品に仕上がっています。さすが、テレビでも活躍した木下恵介監督です。

山田光(田村正和)と相川一郎(石川竜二)は友達同士。上級生にいじめられ、やり返そうとボクシングを習います。光の兄である山田正(吉田輝雄)と相川美加子(岡田茉莉子)は最初は弟たちの教育方針で反発し合うのですが……と言う話です。これに光と正の父親である山田良平(野々村潔)の恋も絡まり合ってきます。父親、兄、弟がそれぞれに。え?弟?いやいや、そうなんですよ。田村正和と石川竜二との間にもLGBTQ的な関係が示唆される描写があるんです。どうやら、これは木下恵介監督の特徴らしいですね。

タイトルが『今年の恋』であるように、様々な恋愛が描かれている作品です。現代でリバイバルさせても十分に通用するんじゃないかなあ。田村正和が存命だったら、田村正和が父親役をやっても面白かったかもしれないです。