良かった。大事な人に言いたいことを言えない辛さを描いた人間ドラマ。主人公は自分と同じ27歳。仕事は堅調、結婚も考える最中、親父が倒れる。厳格な父が病床で弱っていく姿は辛い。早く彼女との話も進めなきゃ。そんな矢先に事件が起こる。
評価は微妙だけど自分は園子温監督作の中で一番好き。大根だけどAKIRAが好きになりました。監督はどうして彼を主演に選んだんやろ。ダンスはともかく演技は固い。脇役は名優ばかりで穴がない。主演に他の若い俳優を選ぶこともできたはず。その上、関西人としては冒頭からテンダラーの浜本にしか見えない。笑
しかしながら彼の走るシーン、そして稀に見せる無表情が深く印象に残る。自然と振舞う演技は下手でも、この姿を見て監督は決断したのかな。あと伊藤歩はなんともないのにそれが最高に良い。助演として最高の若手女優。
随所に見える園子温らしさ。ストーリーをありきたりのものにしない。演出や謎な脇役で途中メッセージをふわふわさせる。時間軸もずらして見せる。こうまでして、いやだからこそ鑑賞後にじんわり浮き出てくるものが一つだけあった。メッセージは監督が一番伝えたくて、でも出来なかったことなのかもね。ちゃんと伝えなきゃね。
