このレビューはネタバレを含みます
DVD(かな?)のジャケは、看板に偽りありで、メインはアニーとサラジェーンの葛藤。
「Black is Beautiful」と口に出せるまで、黒人は、自らを恥じるしかなかったわけで、もちろん社会の体制もあるんだけど、アニーにはあきらかに「ニグロ仕草」が染み込んでおり、そこにサラジェーンが苛立ち、絶望したのも理解できる。
かと言って、アニーに「Black is Beautiful」と言わせるのは酷な話で、彼女はただイエスに召されることを生きる糧としてきており、自らを恥じてはいけないとは言うけれども、だからといって黒人であることを肯定せよとは、言えなかった。
で、ローラが本当に人種の隔てなくアニーと接していたのかというと、サラジェーンのボーイフレンドを黒人だと決めつけた時点で、ローラもレイシズムの罠から逃れきれていないことがわかる。
悪人は出てこないのに、殺伐としたやるせなさを感じるのは、人と人とがわかりあうことの困難を見せつけるからだろう。
わかりあえなくても、愛しあえるというのが、メッセージか。