巴里得撤

悲しみは空の彼方にの巴里得撤のネタバレレビュー・内容・結末

悲しみは空の彼方に(1959年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

DVD(かな?)のジャケは、看板に偽りありで、メインはアニーとサラジェーンの葛藤。

「Black is Beautiful」と口に出せるまで、黒人は、自らを恥じるしかなかったわけで、もちろん社会の体制もあるんだけど、アニーにはあきらかに「ニグロ仕草」が染み込んでおり、そこにサラジェーンが苛立ち、絶望したのも理解できる。

かと言って、アニーに「Black is Beautiful」と言わせるのは酷な話で、彼女はただイエスに召されることを生きる糧としてきており、自らを恥じてはいけないとは言うけれども、だからといって黒人であることを肯定せよとは、言えなかった。

で、ローラが本当に人種の隔てなくアニーと接していたのかというと、サラジェーンのボーイフレンドを黒人だと決めつけた時点で、ローラもレイシズムの罠から逃れきれていないことがわかる。

悪人は出てこないのに、殺伐としたやるせなさを感じるのは、人と人とがわかりあうことの困難を見せつけるからだろう。



わかりあえなくても、愛しあえるというのが、メッセージか。
巴里得撤

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