冷蔵庫とプリンター

悲しみは空の彼方にの冷蔵庫とプリンターのレビュー・感想・評価

悲しみは空の彼方に(1959年製作の映画)
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 感涙必至のメロドラマと辛辣な皮肉が同居する両義性に痺れた。
 ラナターナーの驚くべき鈍感さとアンコンシャスバイアス、そして自己中心的な愛、映画『グリース』挿入歌“Look At Me I'm Sandora Dee”そのままの無知でナイーブな役に徹したサンドラ・ディー、華美で派手な衣装や舞台装置、妙に淡々とした編集、そして最後の葬列(ここだけやたら気合が入っているように感じられた)、ジョン・ギャヴィンの微妙な表情、それら全てが多くを物語っている。もちろん台詞も凝っており、中でもサンドラディーがラナターナーに発する「演技はやめて!」という台詞にはハッとさせられた。