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悲しみは空の彼方にのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

悲しみは空の彼方に(1959年製作の映画)
3.5
1934年の「模倣の人生」(ジョン・M・スタール監督、クローデット・コルベール主演)に続き、ファニー・ハーストのベスト・セラー小説をダグラス・サーク監督が再映画化。
母と娘の複雑な愛憎を描いたメロドラマ。
主題歌「Imitation of Life」は、サミー・フェイン作曲、ポール・フランシス・ウェブスター作詞で、歌はアール・グラント。
ゴスペル合唱団ソリストとしてマヘリア・ジャクソン が "Trouble of the World"を歌っています。
原題:Imitation of Life (1959)

1947年ー
舞台女優を目指す美貌の未亡人ローラ(ラナ・ターナー)は1人娘6歳のスージーとコニー・アイランドの謝肉祭で、8歳になる娘サラ・ジェーンを連れた無職の黒人女性アニー(ファンタ・ムーア)と知りあう。
生活に余裕のないローラだったが、白人の夫に捨てられ職を探していたアニーを家政婦として雇い、2組の母娘は一緒に暮らす。
カメラマンのスティーブ(ジョン・ギャビン)は、コニー・アイランドで彼女らの写真を撮ってローラに好意を寄せ、2組の母娘と関わっていく…。

~10年の歳月が流れた1958年の設定~
・ローラ(ラナ・ターナー)は舞台女優として成功。イタリアの有名監督からの出演依頼がくる…。
・スージー(サンドラ・ディー)は16歳。"恋に恋する"お年頃…
・アニー(ファンタ・ムーア)はローラの下で家政婦を続けているが、体調を崩している。
・サラ・ジェーン(スーザン・コーナー)は18歳で、白人の恋人(トロイ・ドナヒュー)ができる。
・スティーブ(ジョン・ギャビン)は公告会社を営んでいる。

「骨格が何?
完璧だ。僕のカメラも恋に落ちる」

「劇作家の先生と寝るのも演出家にヌードを見せるのも成功のためだ」

「自分を恥じるのは罪です。自分を偽るのはもっと悪い」

「ひとりで?
僕の住所録に女性の名前はないんでね」

「1つ約束して…
もう1つお願いが…
あなたを抱かせて。私の娘として
I'd like to hold you on my arms once more, like you're still my baby.

「愛情なら注いできたわ。
電話や絵はがきでね」

父親の血を引いて見た目は白人と変りない美少女のサラ・ジェーンは、母が黒人であること、黒人の血が自分に流れていることに異常とも言える嫌悪感を抱いていて、この事が母ファンタ・ムーアと娘の関係に暗い影を落とす。
物語は、人種差別を社会背景としたこの母ファンタ・ムーアと娘の関係を主軸に、舞台女優としての成功に野心をもやすラナ・ターナーと娘の関係をもう1つの軸にしながら、ラナ・ターナーに恋するジョン・ギャビンを絡めて展開される。
なお、この作品の要、主役である2人の名前は、the playersとして白人俳優9名がクレジットされた後、"and presenting Juanita Moor  Susan Kohner"と最後に示されている。
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