あなぐらむ

豚と金魚のあなぐらむのレビュー・感想・評価

豚と金魚(1962年製作の映画)
4.1
体裁としては藤木孝を売り出す歌謡映画だが、何よりも弾ける若さとボインの若林映子の魅力と、余裕で喜劇演技を楽しむ上原謙、沢村貞子を愛でる痛快長屋物語。後にテレビで活躍する松木ひろしの筆が躍り、ウキウキした気分になる小品。若林さんはパンチラも!

とにかく若林映子は出てくるシーンほぼ胸の谷間かお腹が出てる大サービス、多摩川の畔で寝転ぶ時の胸の動きカットは監督に拍手しかない。当時既に国際女優だったしこれ位はOK?
「箱根山」でも中原早苗ポジだった北あけみが良い。上原謙扮する純文学作家が比べられる銃マニアの「中藪先生」が冒頭の出版社シーンで模型の銃を持ってご満悦でインタビューを受けてたり、小技がおかしい。

若林映子さんはこの後キンゴジ、ドゴラ、三大怪獣そして007とおたく界隈にも知れ渡る事に。
一方の藤木孝は篠田正浩組で「乾いた花」など、ダークな役が増えていくから本作は明朗キャラは貴重かも。藤木孝はナベプロだったから、「豚と金魚」はクレイジーキャッツなんかと同じスターさん映画なのよね。劇中の歌もヒット曲。作詞作曲は永六輔と中村八大。
脚本・松木ひろしはミステリ好きなのか、劇中沢村貞子が読んでいるのはミッキー・スピレイン。上原謙が怒って「何が"キッスで殺せ"だ!」って怒るシーンは爆笑。