KoichiWatabe

豚と金魚のKoichiWatabeのレビュー・感想・評価

豚と金魚(1962年製作の映画)
3.0
雷族がノーヘルで爆走し、タバコのポイ捨ても当たり前。お隣さんとの醤油の貸し借りが日常的で、たち小便もとがめられない時代の群像喜劇。

物語の主軸は、のどかな郊外の住宅に突如舞い込んできた立ち退き騒動と、藤木孝&若林映子の恋愛話。今ひとつ盛りあがりに欠ける演出とストーリーを補うのは役者陣。実生活とは正反対に色気のない純文学小説家に上原謙、スルメのような味わいの女房に沢村貞子、隣家の滅法威勢のいい婆ちゃんに飯田蝶子、艶っぽいスナックのママに草笛光子という安定の布陣。ほかにも、トニー谷が好色で姑息な小悪党を好演。若水ヤエ子のズーズー弁も懐かしいかぎり。

主演の藤木孝の当時の二つ名はツイスト男。歌手として人気絶頂の時期で、ツイストブームを牽引していたそうだ。初めてみたが、キレッキレのツイストと歌は、たしかに尋常ならざるパフォーマンス。ググッてみたら、今作ではないが「地獄の恋人」という歌が、まったくどうかしていてさらにすごかった。
お相手の、ボンドガール&東宝特撮女優、若林映子もおっぱい揺らして大サービス。そんなわけで、総じて好ましく楽しめる小品でありました。