スピルバーグのアメリカンニューシネマ。
子供を奪われた貧しい若者夫婦と、
子供を奪った裕福な老夫婦の構図は、
当時の反体制的なメッセージが込められている。
逃亡劇を繰り広げる道中の街々で犯罪者である主人公が祭り上げられるのは、弱者である一般市民の代表となっているからだろう。
また、劇中の随所で起こる銃撃戦やカーチェイスショットは往年のスピルバーグを彷彿とさせる迫力がある。(中古車センターでの銃撃戦やテレビ中継者のクラッシュシーンなど)
2023年に見ると、もう半世紀前の作品なので「?」な部分はあるけれど、スピルバーグ作品の原点に触れることのできる貴重な作品。