TAK44マグナム

必殺!主水死すのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

必殺!主水死す(1996年製作の映画)
1.8
子供の頃、金曜の夜は家族で必殺シリーズをよく観ていたものでした。
記憶によく残っているのは「必殺仕事人」や「必殺仕舞人」などですが、再放送で初期必殺シリーズを何作品か観るようになると、「必殺仕置人」や「新必殺仕置人」の中村主水が自分の中でウルトラマンや仮面ライダーと並ぶヒーローとして認知されていきました。

普段は嫁や姑の尻に敷かれ、昼行灯と揶揄され、八丁堀同心の中でも役たたずに思われている主水が、実は剣の達人であり、裏稼業は人の恨みを金をもらって晴らす仕置人であるという設定が最高でした。

後期必殺は、主水が出ていても、シリアスさはなりを潜めてコミカルだったり、秀や勇次のアイドル的人気に支えられているような感じでしたが、初期の必殺はとにかく渋く、ものすごく非情な世界が広がっていて、とにかく魅力的でした。

そんな大好きな中村主水がついに死ぬ・・・!
いったい、どうして?どうやって死んでしまうのか?
それまでにも数多の必殺○○人が殉死してゆきましたが、とうとう必殺の顔である主水の番だというのです。
いてもたってもいられなくなり、劇場へ駆けつけました。

しかし!
その死に様は、こちらが期待したそれとはまったく違った、正直いってどうでもいいような死に様でした・・・
落胆しました。
こんなの中村主水じゃない!
本当に、ネタが尽きたからただ死んだだけ!という感じがして、どうしようもなく詰まらない映画だと思いました。
主水の最後に華を添えるキャストは完璧な布陣だったのに、どうしてこうなったんだろうか。
観終わってしばらくはショックから抜けきれませんでしたよ。
「新必殺仕置人」の念仏の鉄の最期ぐらい、いやそれ以上に完璧に散ってほしかった。

映画版の必殺は割と傑作が多いのに、肝心要の中村主水の引退作でこのような結果になってしまうとはいかがなものか?
故・藤田まことさんは納得のゆく最期だったんでしょうか?
ちょっと、ため息しか出ませんね・・・


劇場にて