うにたべたい

月光仮面 魔人(サタン)の爪のうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.8
劇場版・月光仮面 3作目。
1,2作目同様、テレビ放映の脚本を劇場版用に書き直して作られていて、本作は"バラダイ王国の秘宝編"の劇場版です。
バラダイ王国の財宝を巡って、サタン一族の末裔「サタンの爪」と我らが月光仮面が鎬を削る内容となっています。
元は30分21話構成、それが1時間ちょいの尺にまとめられたのですが、詰め込み感や展開の無理やり感のようなものは感じませんでした。
若干相違点はあるそうなのですが、元が薄かったのか、元を知らないから気づいていないだけなのか、劇場版だけ見る感じでは元々劇場版だと言われても納得なくらい不自然な感じは受けなかったです。

「サタンの爪」は数百年前にバラダイ王国に謀反を起こし排斥をされた一族の末裔という設定で、前作同様、豊富な資金を持った悪の組織の棟梁です。
不気味な仮面をつけていますが、特殊能力を持った魔人というわけでなく、銃火器を所持したたくさんの部下を従えています。
今までと同様、特撮ヒーローというには派手な格闘アクションシーンなどは無く、神出鬼没で並ならぬ身体能力を持つ月光仮面が巨悪の企みを阻止する展開となります。

全体の40分ほどは、バラダイ王国の秘宝を得るための"宝の地図"と宝石"アラーの目"、そして財宝の位置を示すための"呪文"を知る考古学者「結城博士」の奪い合いとなりますが、全てを手にし"サタンの爪"を倒した祝十郎は、博士らと共にバラダイ王国を移動、その後、舞台はバラダイ王国に移ります。
相変わらず銃撃、それも単発の銃ではなく、マシンガンで雨のような弾丸を浴びているにも関わらず、真正面から敵の懐に飛び込んで、たった2丁の拳銃で応援する月光仮面は無敵すぎですね。
さすがにマシンガンで銃撃されたら「痛い」くらい言いそうなものですが、普通に敵の弾は全て外れているように見えていて、そういった点で、迫力が感じられないというか、アクションシーンには難があるように思いました。
シナリオは面白いし、テンポもいいのですが、月光仮面自体に、やはり真似したいという気持ちにはさせてくれないと感じます。
面白いは面白いですが、普段特撮を見て感じるそれとは別種の、ドラマを見るような面白さを感じました。
もっとヒーローらしさがあればなーと、まあ月光仮面といえば特撮ヒーローの元祖といわれる存在なので、今の特撮感で当てはめて考えるのも違うかなとも思ったりします。
ただ、タオルをぐるぐる巻きにしてサングラスをかけたらなんちゃって月光仮面に早変わりできて、後は両手をピストルにしてバンバン言ってればごっこ遊びができるのはいいなと思いました。