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デザート・フラワーのaaaakikoのレビュー・感想・評価

デザート・フラワー(2009年製作の映画)
4.0
ストーリーの中心は、アフリカに残る悪習である女性器の切除(FGM)への問題提起にあるのでしょうが、ソマリア出身の女の子がスーパーモデルになっていく出世ストーリーとしても面白かったと思います。
もちろんそこには、友人や周囲の人々の助けがあり、やっぱり人は一人では何もできないんだなと改めて感じました。
特に最初からずっとめんどうを見てあげてたマリリンは本当にいい子で、彼女のキャラクターは重いテーマを扱うこの作品の中にあって、とても癒しになりました。途中まで気づかなかったけどサリー・ホーキンス!やっぱり素敵な女優だなあ〜。

そして、あまり他国の風習のことを悪習などと言いたくないけれど、やはりこれは悪としか思えない女性器の切除(FGM)。
女は、ただでさえ生理や生理痛や、甘酸っぱい思い出みたいに描かれがちな初体験ですら苦痛に満ちていたりもして、普通に生きてるだけでキツいことが多いのに、その上こんな慣習まで…。
いちばん驚愕したのは、ロンドンの病院にいたソマリア出身の医者?だか看護師?だかが、「股を広げて白人に見せたのか」「風習を無視して恥ずかしくないのか」とか言ったこと!えっ…医療関係者だよね、ロンドンの!?こいつ何言うの…と、恐ろしさに震え上がってしまった。
自分はヨーロッパに住んでいても故郷の女は自由にしてはいけないという考えを持つ男なのか、と思ったのですが、今もFGMの風習は一部で続いていて、移民として欧米に移り住んでもこの慣習を続ける家庭も多い、と最後に説明があり、このことか…と納得。慣例というものは人間の考えをそこまで縛りつけてしまうものなのか、と改めて恐ろしくなりました。わたしも気をつけよう…。
そしてまた、そいう古い慣習のもとで育った女の子が、こういった事実を話すことは、本当に勇気がいることだったと思います。
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