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無法の王者ジェシイ・ジェイムスのodyssのレビュー・感想・評価

3.0
【俳優の魅力が優先か――ジェシー・ジェームズのもう一つの映画】

実在の人物を描いた映画。
同じ人物を描いた『地獄への道』(1939年)とその続編『地獄への逆襲』(1940年)が作られており、そちらは見ていますが、1957年制作のこちらは初めて、BS録画にて鑑賞。

南北戦争で南軍を支持したために戦争終了後も北軍支持の人間からいやがらせを受けた若者ジェシー・ジェームズが、兄フランクと共に銀行強盗に走り、義賊とされるという物語。

主人公が強盗になる社会的な背景などは、『地獄への道』二部作のほうがしっかりと描かれていました。
こちらの『無法の王者』は、どちらかというと俳優の魅力で見せる映画になっており、ジェシーとフランクがいずれもきりっと引き締まった美男ですし、ジェシーの恋人になるホープ・ラングも美人ですが、主人公の性格付けや、彼が義賊とされる社会的政治的情勢などは、あまり説得的には描かれていません。

俳優以外の見どころは、最初と最後に出てくる、ジェシーの失敗した銀行強盗の顛末でしょうか。最初のシーンだけではよく分からなかった部分が、最後近くに再現されると理解できるようになっています。
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