スギノイチ

甦える大地のスギノイチのレビュー・感想・評価

甦える大地(1971年製作の映画)
3.5
意味なく三船だの仲代だの出しちゃう助平心を封じた結果、石原プロ映画の中でも出色な出来に。

都市開発に反発してたはずの司葉子がすぐ裕次郎信者になったりするのは往年の日活映画に逆戻りしたみたいで甘くもあるが、裕次郎率いる開発職員たちの所業は美談ではなく「侵略」として描かれる。ここが真摯だと思う。
終盤、艱難辛苦を経た開発後の鹿島には荒れた畑とゴミの山と暴走族。
「良くなったね鹿島は。昔は芋と南京豆しか無かったのにさ」と皮肉。
某レビューサイトで『さらば愛しき大地』と関係付けたレビューがあったが、けだし慧眼と感服。

現状を悔いる裕次郎と司葉子が会話する窓の外には極彩のスモッグ。
いくらなんでも戯画が過ぎるだろ~と思ったが、監督が中村登だったのをそこで思い出す。
こういうの好きよね。
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