るるびっち

街の天使のるるびっちのレビュー・感想・評価

街の天使(1928年製作の映画)
3.7
フランク・ボーゼージ監督、ジャネット・ゲイナー、チャールズ・ファレル主演のメロドラマ。『第七天国』『幸運の星』と合わせて、メロメロ三部作という感じだ。
三作ともセンチメンタルなメロドラマで、戦争・貧困による犯罪・体の障害などという悲劇でメロドラマを紡ぎだす。空想的で生活力のない男性を、献身的に支える純情な女性に降りかかる不幸。
基本的なメロドラマの元祖といえる。
メロドラマの基礎を作ったのはD・W・グリフィスあたりかと思うが、ユーモアとセンチメンタリズムを強めて印象的なメロドラマを連作して、後々のアメリカ映画に影響を及ぼした作家のひとりがボーゼージだと思う。

代表作『第七天国』が抜群なため、本作はやや平凡。
しかし、初期の映画が大衆性を獲得するのに果たしたメロドラマの役割は大きい。
日本での新派劇『滝の白糸』と共通していて、貧窮からくる止むにやまれぬ犯罪、幸福を壊す過去の因縁、別れと再会など、もう大衆娯楽の決定版って感じ。
笠原和夫(『仁義なき戦い』脚本家)が言う所の、オリンをコスりまくってる!!
彼の「シナリオ骨法十箇条」によると、昔の母子ものなどでは泣かせ所でヴァイオリンを弾きまくって観客の涙を誘う。そうした泣かせの手法を「(ヴァイ)オリンをコスる」と言う。ボーゼージ、コスってます!!「コス、コスコスコス、春日」(あれはカスカスカスか・・・コスだと小菅になっちゃうな)

大女優、ジャネット・ゲイナーが可憐でカワイイ。
『第七天国』でも階段が印象的だけど、縦横に階段を仕組んだ街のセットを作っていて、警官との追いかけなどの活劇性もあるんだね。
ただジャネット・ゲイナー、目が大きくて可憐なのに・・・ケツアゴなんだな~。
ザキヤマみたいに顎の先が割れてる。
悲しい所で気づいちゃったから、泣けない。
しかも一番前席で観たから、目の前に巨大なケツアゴが・・・・
幾らオリンをコスられても「ケツ、ケツケツケツ・・・ゲッツ!!」ちがうか・・・
(でもケツアゴは美人の証明かも・・・誰に気遣い?)
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