(20120116)
リチャード・マシスン(1926-)作短編の映画化。格闘技にたいする大衆の興味がボクシングから総合格闘技へと過激化していく先に何があるかという想定のもとに9フィート(2.7メートルくらい)前後大のロボットが戦うという設定が練り上げられているようです。表舞台ではボクシングルール(但しフリーノックアウト)、アンダーグラウンドではフリールール(総合格闘技的な表現はあまりなかったけれど)の世界になっているんだそう。
ただしそのロボットボクシングの設定以外は、監督ショーン・レヴィの意図どおり現代と地続きの、ゆえに古い伝統も残るアメリカ社会の情景を表現するものになっています(レヴィは“レトロ・フューチャー”と表現)。
基本的に人に操作されるロボット同士が戦う設定の中で、唯一自分の意志を持っているらしい主人公サイドのロボット(ゆえに名前がアトムだったり)の、その秘密を主人公の親子だけが認識して共有しているような描き方のエンディングだと思いました。
この作品に限らすですが、米国産のロボットのデザイン・表現があまりにも汚い感じがするのは私が日本のそれに毒されているからだけではないような気もします。