あきらっち

リアル・スティールのあきらっちのレビュー・感想・評価

リアル・スティール(2011年製作の映画)
3.7
今からそう遠くない2020年にはボクシングがなくなる!?

主演チャーリーを演じるのはヒュー・ジャックマン。
序盤の堕落したダメオヤジぶりが情けなく痛々しい。

彼の息子役マックスを演じるダコタ・ゴヨ。
なかなかいい目をしている。
憎しみに始まり中盤以降の父を慕う表情が素晴らしい。

家族を捨てた駄目父親が、あるきっかけを通じ子供との絆を取り戻す物語。
有りがちといえばそれまでだが、迫力あるロボットアクションの興奮と相まって、ラストへ向けて爽快なヒューマンドラマに仕上がっている。

子供は勿論、大人(特に男子かな)にとっても、トランスフォーマーよりも現実的な等身大ロボットを使った格闘技に、ワクワクドキドキ。ロボット業界の目覚ましい発展を牽引するのが日本という設定であったり、実際に創ったロボットのリアリティーとCGとがマッチし、近い将来、あり得なくもない現実味が、物語を白けさせず惹き付ける。

古めかしくみすぼらしいロボット“アトム”は廃棄場からの掘り出し物。(アニメ映画の“アイアン・ジャイアント”のよう!)
まるで心が通じているかのようにアトムと見つめ合う場面や、打たれても打たれてもボロボロになりながらも立ち上がりひるまないアトムの姿。
完璧ではない人間の様なロボットの姿に、観る者の情が湧く。

ラストシーンのヒュー・ジャックマンとロボットのコラボは、どれだけ優れた機械を創り出したとしても、機械に支配されるのではなく、扱う人間との共生こそが人の心に届く奇跡を起こすことができるのだと教えてくれているようだった。

大一番の一戦、クライマックスを見守るマックス達の表情に、観ていたこちらもこみ上げるものがあった。

突っ込みどころは多々あれど、親子で鑑賞するもよい、スカッと爽やかな映画。

※特典映像の、大一番前のチャーリー達へのインタビューも面白い。また、カットされた場面では、バタフライのエピソードがカットされたのが勿体無いくらいの名場面だった。
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