あなぐらむ

拳銃無頼帖 電光石火の男のあなぐらむのレビュー・感想・評価

拳銃無頼帖 電光石火の男(1960年製作の映画)
3.8
神保町シアターのトニー特集で。
矢継ぎ早に作られたトニーのガンマン物第二作。前作とは別設定で、四日市を舞台にした観光映画になっている。
身代りで前科者になったトニーと先輩・二谷英明がルリ子を巡る三角関係、ライバル"早撃ちの五郎"に宍戸錠。こちらも白木マリと腐れ縁なのが面白い。

工業都市・四日市の利権争いは後年の1973年「ザ・ゴキブリ」と同じ構図だが、こちらは古い任侠が新興やくざの非道に遭う「我慢もの」。藤村有弘がまたも華僑役でピアノも披露、杉山俊夫がいつもの弟分役のくせになんと! 小百合様からキスをゲットの役得。トニーは不良っぽい方がやはり味が出るね。

野口博志演出はそつ無く見せ場を作り飽きさせないが、今回はロケスケジュールの都合なのか役者毎にぶつ切りな感じで、二谷、ルリ子とトニーの三角関係が盛り上がらないのは残念なところ。
前作のコルトの銀とは変えて、デニムの上下がラフな味わいの宍戸錠が頑張り話を引っ張っている。小百合様はカフェの女給役。