サーフ

ライフ・イズ・ビューティフルのサーフのレビュー・感想・評価

4.4
Filmarks1500本目はロベルト・ベニーニ監督・主演の「ライフ・イズ・ビューティフル」。

ユダヤ系イタリア人のグイドはある日小学校で教師として働くドーラと出会い、一目惚れしてしまう。持ち前の陽気さを発揮して駆け落ち同然で結ばれ、息子ジョズエも授かる2人。だが彼らの元に"戦争"という名の暗雲が忍び寄って来ていた。
3人は強制収容所に送られ、ドーラとは離れ離れになってしまったグイドとジョズエ。グイドは息子を不安にさせない為に「これはゲームだ」と嘘をつき続ける…と言うのが大まかなストーリー。

前半と後半で雰囲気がガラッと変わる作品。前半は「恋は盲目」と言えるようなグイドのドーラに対する真っすぐすぎる恋心で心が温まる。
彼の真っすぐさが引き起こすドタバタはチャップリンっぽくて素直に笑えるし、彼の行動がドーラを射止めるまでの伏線になっているのは非常にロマンティックに映る。

後半は戦時色が強まり、一気に重たい雰囲気に。そんな重たい雰囲気の中でも息子を不安がらせないために陽気さを持ち続けるグイド。前半で見えた真っすぐな愛がここではジョズエに向けられていて、純粋な愛情と共にどんな状況でも愛する者を悲しませないという彼の人間としての強さを感じ取る事が出来る。
「子供に嘘をつき続ける」っていうのは相手に希望を失わせない前に自分が希望を失わないようにする為に自己暗示という意味合いもあったのかなと少し思った。

見終わってすぐに「いい映画だった!」というよりも後からジワジワとこの映画の良さが心に沁み入ってくる遅効性の映画。これ書いている時のとこの映画の事好きになり続ける。
サーフ

サーフ