ダイナ

シモーヌのダイナのレビュー・感想・評価

シモーヌ(2002年製作の映画)
3.8
アルパチーノ主演のSFコメディ。主演女優に逃げられた落ちぶれ監督のヴィクターは、とあるツテから得たプログラムを利用しバーチャルの女性「シモーヌ」を作成しキャストの穴を補完し公開に間に合わせる。これが予想以上に大ヒットし世間はシモーヌの魅力に惹かれ一線を超え始めるというお話。コメディではあるものの全体的にはしっとりとした雰囲気で笑える要素はありつつ真面目なヒューマンドラマ寄りの印象。

バーチャルの存在シモーヌ。現代風に言うとVtuber。現に作中で周囲の目を誤魔化すためにシモーヌのセリフを別の場所のアルパチーノが吹き替えるシーンがあり面白いです。Vtuberには興味ありませんが中の人がアル・パチーノだったらスパチャデビューしちゃいそう。話を戻して、「いかにシモーヌが現実に存在するか」という工作が多々映されヴィクターが奔走する姿が面白く、シモーヌという存在を通して監督が自分自身見つめ直すプロットはガタカを撮った監督と納得させられる手腕を感じさせられます。

ただ結構「それは無理だろ〜」と思わされる所も多く、ゲラゲラ笑えるコメディの雰囲気であればスルーですが上述した通り割と全体的に真面目な雰囲気なため大袈裟な演出は外してる・安っぽい印象をやや受けたり、そして風刺の効いた展開は「そんなに人って盲目になるかね」という感想が浮かんだりも。何と言ってもクライマックス。着地点そこ?と呆気に取られました。(あくまで個人的感想)

拳銃を握らないアルパチーノは中々新鮮。ガタカが好き(監督が同じ)、アル・パチーノが好きな方は観て損はないでしょう。エンドロール後のかわいい一面も見逃さないように注意。
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