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日本の黒い夏 冤罪のまのレビュー・感想・評価

日本の黒い夏 冤罪(2000年製作の映画)
3.1
日本犯罪史上に残る「松本サリン事件」を題材にした作品。某教団が事件に関与したことはあまりにも有名だが、当時事件発生直後は第一発見者の男性が冤罪で犯人に仕立て上げられてしまった。

その男性も病院に運ばれ奥さんも重体、それでもマスコミや警察は彼を犯人扱いし、彼の私生活をボロボロにしていく。

この事件について高校生(遠野なぎこ)が地方のTV局を取材し、真実に迫っていくストーリー。
冤罪の男性を寺尾聰、TV局の部長を中井貴一が演じる。

日本の映画にしては随分と突っ込んだ内容を題材にしたなと。
さすがに教団の正式名称は出ないが、この事件と後の地下鉄サリン事件が社会に与えた影響は計り知れない。


題材は凄く良く冤罪の悲惨さ、警察のずさんさ、マスゴミのいい加減さがこれでもかと伝わる。
真面目・正直な人が損するこんな世の中なんやねんって感じなんだけど、中には冤罪の男性に味方する人もいて、最後に彼が「人間の悪いところも良いところも見た」的な発言をしていたのが印象的だった。

火曜サスペンス劇場の延長みたいなドラマ感が微妙に安っこさもあったけど題材は世の中に踏み込んでて良かったです。当たり障りのないのが多いのでこういう突っ込んだテーマの作品をもっと日本でもリリースしてほしい。

最後に遠野なぎこってこんなに純粋な時もあったのね…本作では昔の北川景子みたいな美少女ぶりです。
ま