日本の純愛を描いた美しい映画。
最近ありがちな高校生とかの恋愛映画なんかよりこちらを観るべきである。
待ち続けた武士と、その武士が想いを寄せていた女性が途中から逆の立場になっていく。
男は正義を貫き、女はその人の無事を祈る昔の日本人の美学が映し出されていた。
幸せへの回り道がテーマであるが、幸せというものは時に待つ、そして想いを貫くことが大切なんだと感じた。
ヒロインの野江役の田中麗奈と弥一郎役のヒガシは冒頭のシーンでしか共演していない、想い合う2人がわずか1シーンしかない恋愛映画は初めて観た。
野江が幸せかを問う弥一郎が凛々しくも切なかった。
冒頭時点では野江はまだ人妻なのだから当然だが、当時は簡単に好きな人に頻繁に会えたりはしなかっただろう。
日本人の心に響く奥ゆかしい映画です。
さすが藤沢周平。