ねこまるキャット

ゼイリブのねこまるキャットのレビュー・感想・評価

ゼイリブ(1988年製作の映画)
3.3
『洗脳』×『真実』
サングラスを掛けると地球人のフリをした異星人が見えるという映画。

異星人は地球人と共存していて、別に地球人を食べたりとかしている訳ではありません。

目的をなくさせ、広告で洗脳し、無駄に消費させ、自分達に富が傾くように仕向けるという事で、
異星人が地球人を洗脳しているという、社会風刺の効いた作品です。

設定は面白いんですが、何がやばいって、害なく、ただ共存してる異星人を、主人公が問答無用で殺しまくるんですよね。

これじゃ肌の色が違うからとか、ユダヤ人だからとかで殺しまくってるのと何ら変わらない。

そこに関しても風刺なのかもしれませんが、それが正しいといった見せ方をしてくるので、気分が悪いです。

またそのサングラスが大量にあるにも関わらず、反乱組織がまるで拡大していない要領の悪さも引っ掛かる。

見せれば一発なのになぜ。

途中主人公が同僚にサングラスを掛けろというくだりで、6分ぐらい全く迫力のない殴り合いをするのも、話術が無さすぎて呆れてしまいます。

主人公「このサングラスを掛けろ!」
  男「ファックユー!」
主人公「いいから掛けろこの野郎!」
  男「ファックユー!」
主人公「掛けろー!」
  男「ファックユー!」

こんな感じで6分ぐらい全く迫力なく、ただただ殴り合うという衝撃シーン。もう本当にどっちもどっち。これが同じ地球人というのだから悲しい。よその星でやってくれ。

実際のプロレスラーの役者の格闘シーンという事と、固定観念を変える難しさを表現したとからしいですが、流石に違和感がありすぎ。

全体的に風刺が効いてると言うよりは、エゴを押し付けられているように感じました。