勝沼悠

ゼイリブの勝沼悠のレビュー・感想・評価

ゼイリブ(1988年製作の映画)
5.0
 地球は実はドクロ顔のエイリアンにのっとられていた。日雇い労働者の主人公はレジスタンスが作った宇宙人の洗脳が解けて本当の姿が見えるサングラスを偶然手に入れて、宇宙人に立ち向かう。

 地下施設やワープ旅行、サブリミナル看板といった設定は最高におもしろい。一部の地球人は宇宙人側についておいしい思いをしていたというのもいい。
 ただこの映画、主人公の行動をはじめあらゆる部分がメチャクチャなのである。
 主人公はさしたる理由もないのに、宇宙人がいると分かった瞬間に宇宙人を片っ端からぶっ殺しまくる(確かに宇宙人は悪者だが)。この吹っ切れ方がすごい!  しかもこの主人公やたらめったらプロレス技を使うのである。ラリアット&バックドロップ!
 そして最大の分からないシーンは主人公が友人にサングラスをかけるよう説得するシーンだ。友人は本当の世界など見たくないといってごねて、サングラスをかけるかけないで殴り合いの喧嘩が始まるんだけど、なんとこの喧嘩シーンが10分以上!ひたすら続く。私のブログにも書いたが、実はこのシーン、あまりに出演者がいい演技だった為、ノーカットで使うことになったらしい。 ってそれで10分も殴り合ってたら駄目でしょ。

 ラストカットはうまい。こんなに笑ってしまうラストも珍しい。
 万人にお勧めする映画ではないが、B級映画のおもしさがどっさり詰まった愛すべき超B級映画。
勝沼悠

勝沼悠