マヒロ

ゼイリブのマヒロのレビュー・感想・評価

ゼイリブ(1988年製作の映画)
4.0
日雇い労働者の主人公がある日偶然手に入れたサングラスをかけてみると、街中の看板や雑誌には「考えるな」「服従しろ」「眠り続けろ」などの文字が書かれ、道行く人々の一部は醜い骸骨のような顔に見えるようになる。実は地球はその骸骨顔のエイリアンに侵略されつつあり、彼らは広告などにサブリミナルのようにメッセージを仕込み、我々を支配しようとしていたのだ!というあらすじ。監督が商業主義・消費主義をエイリアンの侵略に例えた、皮肉たっぷりな作品。

…なんだけど、この映画の魅力は、そんな政治的メッセージを感じさせない、ほどよ〜いユルさにある。
全編に渡って脱力系の音楽が鳴り響き、どうでも良いシーンにやたらと時間をかけ、主人公は『コマンドー』ばりの無茶苦茶をやりだす。オチも笑える作りになってるし、深刻なんだかどうなのか分からない変な雰囲気がすごい好き。
政治的な考えを持っているにも関わらず、小難しくせずにちゃんと娯楽として成り立たせるところが流石カーペンターだなって感じ。

あ、後、記念すべき今年200本目の映画でした。

(2014.200)
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