くろいひと

或る殺人のくろいひとのレビュー・感想・評価

或る殺人(1959年製作の映画)
2.9

"Anatomy of a Murder"(殺人の解剖学)となかなか意欲的な原題をもってはいるが、ある殺人事件についてのきわめてシンプルな法廷劇。

2時間40分という長尺を感じさせないテンボの良い法廷でのやりとりはたしかに面白いが、事件も論点も明白すぎてサスペンスにかけるのが難点。
出された結論には共感も意外性もないし、なによりも決定打となる事実が早々に観客には明かされているためにカタルシスもない。
それでも最後まで見せてしまうのは俳優たちの魅力か。

裁判長が陪審員に語りかける目線がカメラに向いているのはすてきなアイディア。
デューク・エリントンというおまけも。
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