桜庭信一

妻よ薔薇のやうにの桜庭信一のレビュー・感想・評価

妻よ薔薇のやうに(1935年製作の映画)
4.5
今見ても古さを感じられないストーリー。
この時代を考えるとカットが多く、移動ショット多いのには驚きを隠せない。ラストの娘のドリーイン、母親のドリーバックのカットバックに山の風景のオーバーラップ。そして子供の歌が流れる。黒澤監督がよく使う対位法(映像と反対の音楽を組み合わせる手法)失敗と言われているが、僕はこの演出を試みた監督の意気込みを買いたい。

話の内容は重いのに、重さを感じられない演出が光る。

後で知ったんだが、この映画が初めてアメリカで上映された日本映画。
黒澤作品、小津作品とは、地味なのは仕方ないが、成瀬監督の演出は黒澤・小津に匹敵する。世界では、黒澤・小津・成瀬と言われていますね。

107本目
桜庭信一

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