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妻よ薔薇のやうにのskm818のレビュー・感想・評価

妻よ薔薇のやうに(1935年製作の映画)
3.7
丸山定夫を見たくて鑑賞。1935年の映画で、まず風俗が興味深い。ヒロイン君子の働く女らしい帽子にスーツ姿とかさ。恋人精二とはなんでも言い合える仲で対等な感じがとてもよい。二人とも自活できる給料なの羨ましい。君子の母は歌人として実績のある人。ただちょっと自己中でプライドが高いんだろうな。そりゃお父さん出ていくよ。出て行って長野の山の中で何やってんのかっていったら砂金掘りなんだから、これは甲斐性がない。愛人のお雪さんとの間にはすでに成長した二人の子。生活費は多分お雪さんが髪結して娘が仕立物して稼いでる。女がむっちゃしっかりしてんなあと思うし、ある意味都合がいいんだが、ちゃんと稼いでいるからこそあれこれ言えるし、下手に出てても自信があるからこそ不安でも相手を送り出せるんだよなあ。お雪さんも君子さんもできた女だと思うし、お父さんも捨ててきた東京の一家がどうでもいいってわけじゃないのね。ちゃんと精二さんちに挨拶に行ってくれたし、お母さんの顔を立てて仲人もしてくれたのだから。ただお母さんとは一緒に暮らせず、お雪さんたちと暮らしたい、そういうことだと思う。いっそ君子さんの母とは離婚してはと思うのだが、そうはしないところはお父さんの責任感かもしれないな。
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