みおこし

ベッドかざりとほうきのみおこしのレビュー・感想・評価

ベッドかざりとほうき(1971年製作の映画)
3.4
携帯の小さい画面で観ていたDisney DELUXEが家のTVで観られるようになったので、ここぞとばかりに未見の古いディズニー作品を堪能しています!特に『ピートとドラゴン』と本作は日本で観られるチャンスがなかった激レア実写映画なので、念願叶ったり~。あとはシャーマン兄弟が音楽を手掛けたミュージカル『最高にしあわせ』(The Happiest Millionaire)を配信してくれたら、これ以上望むことはないのだけれども…。

1940年のイギリス、空襲から逃れるため田舎に疎開した3兄妹は、プライスという中年女性の家に預けられることに。実はこのプライスは、通信教育を受講中の見習い魔女で、まだ完璧に呪文が使えるわけではなかったが、ある日ベッド飾りに魔法をかけることに成功。戦争を終わらせるために必要なとある呪文を求めて、子供たちと一緒にベッドに乗って魔法の旅に出かけることに…。

現在94歳で、昨年『メリー・ポピンズ リターンズ』でもその元気な姿を見せてくれたディズニー・レジェンド、アンジェラ・ランズベリー主演のミュージカル・ファンタジー。”魔法使い(見習いだけど)の女性と子供たちの交流”、という内容はかなり『メリー・ポピンズ』を彷彿とさせます。素敵な音楽を手がけているのも同じくシャーマン兄弟だし、途中でアニメーションと実写の入り乱れるシークエンスが入るし、さらに、ワケありの魔法学校校長のブラウンを演じたのは『メリー~』の厳格な父親バンクス役でおなじみのデヴィッド・トムリンソンだったりと、共通項がたくさん。ただ、時代背景が第二次世界大戦真っただ中で、ナチスドイツの軍勢も登場したりと、ほかの作品と比べてもかなり異色の要素もありつつ。

ストーリー自体はちょっぴり冗長に感じられる部分が多くて、魔法もキラキラした雰囲気のものではないからちょっと暗い作品という印象が強かったです。クライマックスの戦闘シーンは今観てもすごい視覚効果なのですが、小さい子が見たらちょっと怖くなっちゃうかも…。
ただ、動物の国ナブンブー島の描写は、いわゆるディズニーらしい可愛いアニメーション・パート。レトロなタッチで描かれた動物たちを見ているだけで癒されました。同時期に『ロビン・フッド』や『おしゃれキャット』が作られていたと思うのですが、どことなく似たような動きが使われていて、同じモーションを転用したのかな?なんて勝手に推察。

とても魅力あふれた作品なのですが、特筆すべきはやはり音楽。『ビューティフルな海』『何も信じられない年頃』『ポートベロー・ロード』など、魅力的な楽曲に溢れていて、特に『何も信じられない年頃』は知る人ぞ知るディズニーの名曲。音源だけしか聞いたことがありませんでしたが、マジカルな映像も相まってすごく感動しました!
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