ジュリアン

デスプルーフ in グラインドハウスのジュリアンのレビュー・感想・評価

5.0
物語の進行に寄与しないガールズトークが続けば続くほど、悲劇に到るカーチェイスの前振りとして緊張感を絶えず与えてきて面白かった。

終盤、ホラー映画における「見られる性」として深く印象を刻み込みんできた彼女たちが、男に復讐を果たしてスカッとするに至っては、「テルマとルイーズもこうなれば良かったんや!」とニコニコして見れた。

とりわけ、スタントマンが見られる性へと役割を交代し、そして車を通じてレイプされるシーンはタランティーノらしさ全開でバカほど笑った。

この他、素足フェチやフィルム原理主義者、拘束フェチなどタランティーノらしさを再確認できる要素は幾つかあったが、不死性と関連した論じ方はちょっとよく分からなかった。

あと、タランティーノ作品をいっぱい見て、彼が「破滅に向かう有害な男らしさ」と「闘う女性」というモチーフがかなり好きだと理解できたが、他方でそれはフェチや偏愛の要素が強すぎてフェミ批評と相性悪そうとも感じた。

バニシング・ポイントとサイコを見たら更に楽しめる映画。