イペー

プロフェシー/恐怖の予言のイペーのレビュー・感想・評価

プロフェシー/恐怖の予言(1979年製作の映画)
2.6
ある〜日〜森の〜中〜、出会ったクマさんが、届けてくれた!人類の!忘れ物!

社会派監督ジョン・フランケンハイマーによる、"公害問題を考える"モンスターパニック映画。

メイン州の森林地帯。土地の立ち退きを巡って製紙工場と先住民の睨み合いが続いています。環境調査のため派遣されたのは主人公の医師と、その妻。調査が進むにつれ、工場排水の汚染が引き起こした恐るべき事態が明らかになるのですが…。

…クマです‼︎ 変異を遂げ、巨大かつズルズルになってます‼︎
最初でネタバレしちゃいましたけど、多分誰も気になさらないでしょう。

主人公の医師は正義感に燃え、工場の不正を暴こうと必死です。ムキになるあまり、妻の妊娠にも気付かない。映画の冒頭からしつこいくらいに妊娠の事実に悩む妻の描写。主人公が気付くのが遅くてイライラ。

工場の場面だったり、近くにヘリがいたり、環境音がうるさい中で重要な会話をしようとする登場人物たち。結果、声を張り上げる平べったい芝居に。募るイライラ。

やがて発見したクマの赤ん坊。おぞましい姿と生理的な嫌悪感を覚える鳴き声。ギィィーッって。
クマのお母さん激怒。始まる追いかけっこ。間の取り方がズレているし、クマと逃げ惑う人々の素早いカットバックがコントの様でニヤニヤ。

盛大に人が死んでゆき、いつの間にやら環境汚染の話は置き去りに…。助かって良かったねえ…って、これで良いのでしょうか? 現実では何も解決していない、という問題提起なのかな…。

実に取り留めのないレビューになりましたが、作品のせいですコレは。
映画全体に漂う残念で不愉快な感じが、公害問題に直面した当時の社会のムードを、そのまま反映しているのかもしれません。
誰ですか!失敗作とか言ったのは!

巨大なクマさんに、普段使っていない脳のエリアを刺激されました。
パニックでした。本当に、パニック映画でした…。
イペー

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