核戦争による世界滅亡がブームだった時代の産物。ご時世的にフィット感あった。
東西対立が世界滅亡に至るまでを、庶民の視点中心に描く真面目な反戦映画。東宝特撮でここまで一般人がメインで描かれるのも少ないのかな。フランキー堺が何時ものイイお父ちゃんやってて、その明るさが逆に悲劇性を掻き立てるってのは『私は貝になりたい』と同じやり方。宝田明は何時もの宝田明。ザ・好青年。娘役の星由里子が可愛い。宝田明とのモールス信号のやり取りに泣く。悲劇を悲劇性たっぷりに描くのでクドい気もするが、クライマックスはド派手にやるのでちょっと我慢すれば問題ない。世界が破滅する特撮は凄い力入れてて直接的。必要以上にミニチュアって感じが出ちゃってるけど。松林宗恵は良くも悪くも真面目で、本多猪四郎のようなポップさはない。脚本は、特撮書いて来た木村武（馬淵薫）と文芸モノ得意な八住利雄の共作。木村武がこの後に『妖星ゴラス』書くのはなるほどと思う。連邦国（西側）と同盟国（東側）がそれぞれ核戦争を防ごうとするサスペンス、同じ様な事件もあったので参考にしたのかと思ったら全然後の話だった。キューバ危機よりも前の映画だと思うと色々危惧は当たってたなと。個人的には『博士の異常な愛情』の様な態度が好きだな。
