櫻イミト

古城の妖鬼の櫻イミトのレビュー・感想・評価

古城の妖鬼(1935年製作の映画)
3.0
トッド・ブラウニング監督、ロン・チェイニー主演による伝説の傑作「真夜中過ぎのロンドン」(1927※ロスト・フィルム)を、同監督がセルフ・リメイク。助演に「魔人ドラキュラ」(1931)のベラ・ルゴシ。

チェィニーが1930年に亡くなった後のリメイク。美術も映像もしっかりと作られていて怪奇ムードは満点。しかし「真夜中過ぎのロンドン」の主役は”千の顔を持つ男”チェィニーでなければ演じられないため、設定を二役に変えている。結果、当時の映画としては非常に斬新な演出になっているが、賛否は分かれるところだろう。すでにマルクス兄弟が活躍していた時代であり、虚構の破壊が受け入れられる時代だったことを認識しておきたい。

「真夜中過ぎのロンドン」のフィルムが発見されることを祈っている。
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