Omizu

ピクニックのOmizuのレビュー・感想・評価

ピクニック(1955年製作の映画)
3.7
【第28回アカデミー賞 美術賞、編集賞受賞】
『ミスタア・ロバーツ』ジョシュア・ローガンが同名戯曲を映画化した作品。主演は『サンセット大通り』ウィリアム・ホールデンと『めまい』キム・ノヴァク。

もっとほのぼのした作品かと思っていたら意外とじめじめした話だった。地方都市を舞台としたいやな人間ドラマ。

『サヨナラ』でみせたジョシュア・ローガンの堅実な手腕は本作でも健在で、映画としてなかなか上手い。都会でも田舎でもないという土地での強迫観念、集団意識を浮き彫りにしてみせている。

最初から決められていたような恋愛からの解放、自分の外見や年齢を気にせざるを得ない女性心理を群像劇的に描いている。特に切実だと思ったのは中年の女性教師かな。結婚したとして彼女は幸せなのだろうか。それを考えさせられる終わり方が見事。

ウィリアム・ホールデン、キム・ノヴァクももちろん好演している。恋愛、結婚というものへの向き合い方を女性の視点を通して示した秀作。
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