MOCO

ミラクルマスター/七つの大冒険のMOCOのレビュー・感想・評価

4.0
「ダール この印(手のひらの烙印)は神がくださったのだ
いつかこれの意味も分かるだろう

それまでこれはお前のお守りだ
わたしの剣とケイパ(ブーメランの様な鋭利な武器)もお前の友となろう

自分の国エムールを守るのだ
私に万一のことがあったら
敵のジャン族には気をつけろ
お前の運命を探したければアルークの谷に行け」


 太古の昔のアルーク国。邪教アー教の司祭マークスは支配する妖術使いから「これから生まれるゼッド国王の子供がお前を殺す」と言われ妖術使いに即座に子供を殺せと命じます。
 国王ゼッドはそうとは知らずマークスを追放すると、その夜国王の寝室に現れた妖術使いが妊娠中の王妃の子宮から胎児を牛の腹に移しかえ、王妃の命を奪います。
 妖術使いは野原で牛の腹を裂き、胎児を取り出すと胎児の手のひらに烙印を押し、胎児を殺そうとします。そこを通りがかったエムール国の長老が妖術使いを殺し、胎児を村に連れ帰りダールと名付け育てます。

 父(長老)から剣術を習い少年になったダールは、ある事件をきっかけに自分には動物と心が通う不思議な能力があることに気がつきます。

 ダールが青年となったある日、突然ジャン族がエムール国を襲いエムール国はダールを残して全滅します。

 ダールは生前の父が言っていた通り父の剣とケイパを持ちアルークの谷へ向かいます。
 彼の目となる鷲と旅する途中フェレットの夫婦コドとポド、黒豹ルーが仲間になります。

 谷の沢で裸で泳ぐ美しいキリ(タニア・ロバーツ)に一目惚れしたダールは、キリがアー教の奴隷として支配されていることを知り立ち去ったキリを追いかけるのですが、妖怪の一族に囲まれてしまいます。その時ダールの目となる鷹がダールの腕に止まります。偶然にも一族は鷹を崇拝する一族で鷹を友とするダールは攻撃を免れます。

 キリの住むアルーク国に着くと司祭マークスがピラミッドの中腹に設けたかまどに生け贄の子供を投げ入れているところでした。今のアルーク国は完全にマークスのものになっているのです。

 一時的に国を離れたダールは突然妖術使いに襲われるのですが棒術の上手い黒人のセスと白人の子供タルに助けられ、落とし穴に落ちた黒豹ルーを助けてもらいます。

 そして3人で司祭マークスに統治されているアルーク国を救いに行くことにします。
 キリは偶然にもタルのいとこでした。キリを救いだした三人は次にタルの父親で投獄されている国王ゼッドを救い出すためピラミッドに潜入します。
 彼らは脳を破壊され闇の番人となった人々と戦い、捉えられていた国王ゼッドと共にピラミッドから脱出します。
 両目を奪われていた国王ゼドは復習を挑もうとしますが、ダールは「復習すれば人数が圧倒的に多いジャン族がやって来て国が滅びる」と反対し、国王から追放されてしまいます。
 作戦が失敗し、とらえられた4人が生け贄にされることを知ったダールはピラミッドに乗り込みます。
 昔の予言の通りダールはマークスを倒すのですが国王ゼッドを殺害され、コドがダールを守るため犠牲になってしまいます。
 やがてジャン族の姿を遠くに見つけたダールは残された国民と共に戦う決心をして国のぐるりを囲むタールのお堀をカモフラージュして堀にジャン族を落とすと火を放ち多くのジャン族を焼き殺します。しかしジャン族に囲まれ絶体絶命に追い込まれます。その時あの鷹を崇拝する一族が現れジャン族の命を奪っていきます。

 弓に射たれながらタールの堀に命懸けで火を放った活躍をしたタルが腕を不自由にしてしまうのですがセスはタルに国王になるよう話します。

 ダールはタルが重症でなかったことを確認して旅立とうとしセスに別れを告げるのですが、セスはダールの手のひらの烙印を見て国王の亡き息子と気がつきます。
 セスはダールに長男として国王になるべきと話しますがダールは「タルはあなたが側にいれば大丈夫」と言って鷹と黒豹ルーとフェレットのポドと去っていきます。ボドには二匹のこどもが・・・。そして後を追ってきたキリも・・・。

 主人公ダール(マーク・シンガー)が父の形見の剣をブンブン振り回す姿がカッコいい1982年の思いでの映画です。

 妖術使いや妖怪の造形も素晴らしく、眼球のようにまぶたを閉じる指輪などの小物の造形も良く、ストーリーも上手く、火の中での戦いも迫力があり、動物達の演技も自然、3年後ボンドガールとなる27才の美しいタニア・ロバーツがヌードを公開しています。

 1991年にPart2 「ミラクルマスター II/L.A.時空大戦」が製作され、1996年に日本未公開のPart3が製作され、1999年~2002年には日本未公開のTV版66話が製作されるほど人気作品なのですが、映画のPart1すらDVD化されていないのです。残念なことです。
MOCO

MOCO