よーだ育休中

ネメシスのよーだ育休中のレビュー・感想・評価

ネメシス(1992年製作の映画)
3.0
バイオ技術やサイボーグ技術が発達した近未来。任務中に重傷を負ったことで身体の一部をサイボーグ化した元LAPDのAlex(Olivier Gruner)は、元上司である長官から〝心臓に爆弾を埋め込んだ〟などと脅され、再び捜査の任に就く。


◆ブレードランナーですか?

ーいいえ、違います。

2027年のLAは、バイオ技術とサイボーグ技術が向上した事で人間と見分けがつかないほど精巧なサイボーグや、体の一部をサイボーグ化した人間が跋扈していた。

〝Goddeamn Cop.〟
〝Goddeamn Terrorist.〟

人間の捜査官(後に身体の一部をサイボーグ化していたことが明かされる)Alexが、ハニートラップ(?)を仕掛けて一人の女性を射殺する。吹っ飛ばされた女性の頭部はマシンであり、犯罪を犯したサイボーグを断罪した描写で幕を開ける。

【ブレードランナー】のように、命令に背いたサイボーグ(レプリカント)を討伐する任を負った警官の物語なのかと思いましたが、どうも違うようです。主人公は任務で負傷して半年間の療養を経た後、自分に大怪我を負わせた相手に報復かまして警官をあっさりやめてしまいました。あれ?
しかもその相手が生身の人間でした。あるぇ?

冒頭のLA、砂埃が煙るダウンタウンの外は超廃墟+砂漠だったので、〝おっと!世紀末か!?〟と思いきや、後半戦のジャワ島は緑がいーっぱい!住民もいーっぱい!いうほど世紀末感ないですね。2027年感もないですね。LAではサイボーグが云々言ってたのに、ジャワにはLAから派遣されたサイボーグしかいないんだもん!この破茶滅茶な設定もB級感があって嫌いじゃないよ!


◆マトリックスですか?

ーいいえ、違います。

グラサンにロングコートで銃をぶっ放す。追い込まれた古い建物で、床を撃ち抜いて窮地を脱する主人公。うーん、どっかで観たことある。マシンガンを両手に抱えて、部屋に突入してきたグラサンの敵キャラ相手に何百発もの銃弾を浴びながら逆に何百発もの銃弾を浴びせ返す。超カオス。なのにめっちゃすごい迫力。

町中で散歩中のおばあちゃんが、おもむろに拳銃を抜いて背後からサイボーグを銃撃。この後おばあちゃんがエージェントにすり替わる事はなかったですが、中々の衝撃シーンでした。その様子をのぞき見て〝いい町だ…〟とほくそ笑むAlex。そのシーンを観て〝いい映画だ…〟とニヤついてしまう私。だんだんこの映画の楽しみ方がわかってきた瞬間でした。ええがな!

B級感はすごいのに、撮り方はめちゃんこカッコ良いのがいい!カット割は勿論、火薬、爆薬をここぞという場面でふんだんに使うメリハリが上手かった!


◆ターミネーターですか?

ーいいえ、違います。

サイボーグのお姉さん、マシンガンを至近距離でぶっ放されて体が真っ二つに千切れてしまいましたが、上半身のまま床を張って武器を掴もうと頑張ります。おっと既視感。

高度なバイオ技術で人間に成り代わっていたラスボスさん、最後は最新のサイボーグ技術だか何だか知りませぬが、金属の骨格だけになって追いかけてきました。おっと既視感。

ラストの展開(姉の敵と出来ちゃった感のある妹ちゃんもそうですが)、最後のナレーションは何だったの?〝俺たちの戦いはこれからだ!〟なのか、〝いつから現実だと錯覚していた?〟なのか、狐につままれた様な気分です。これがB級SFトップクラスの実力か。クセになりそうだな!


*雑記*
火薬と筋肉を愛する会を通じて、また素敵な作品と出会うことができました!ありがとうございました!

息子を連れて実家に帰らせてもらっており、かつサッカー日本代表選の試合と被った為、レビュー投稿が遅れてしまいました。そろそろ活動限界を迎えるので、後程、皆様のレビューにも遊びに行かせてもらいます!