IDEAコメント低浮上

ネメシスのIDEAコメント低浮上のレビュー・感想・評価

ネメシス(1992年製作の映画)
3.6
【二次創作的シネマのススメ】

火薬と弾薬に予算の80%を使ったとか使ってないとかいう(←適当)90年代カルト作。
んまーとにかく景気良く爆発するもんで、冒頭からの銃撃戦はかなり優れたシーンかと。
この勢いが終盤まで続いていれば、『傑作』になっていただろうと思うとちと惜しい。
なぜなら序盤からド派手に飛ばし過ぎてガス欠を起こしたから…。

近未来SFとは銘打たれているもののハイテクな印象は鳴りを潜め、荒廃した世界観でヒャッハーしちゃう《簡易版》世紀末救世主伝説の様相である。
豪華(←イヤミかっ!)俳優陣の熱演は驚くほど素っ頓狂で、なんだか文化祭に紛れ込んだような謎の安心感。

SFがしたいのか、派手なアクションをしたいのか、なにやらさまざまな端切れをツギハギしたがゆえに終始チグハグな作品であった。

ただ!
ただ申し上げたいのは、このチグハグさこそが今作の愛すべきポイントであるということ!
90年代は作り手にある程度の自由があって、良い時代だったんだろうなぁ…と思わせてくれる、アクション映画の歴史に想いを馳せることのできる作品であった。