ルッコラ

キングダム・オブ・ヘブンのルッコラのレビュー・感想・評価

キングダム・オブ・ヘブン(2005年製作の映画)
4.0



図らずして今見るべきの映画だった。


最後のサラディンとの会話のシーンはリドリースコットの本心なのかな。
結構この作品の核心なのかなとも。

ほんとにこのときにエルサレムは、聖墳墓も、嘆きの壁も、岩のドームもなくなっていれば良かったのにと心から思った。

一方でサラディンの「無だ。だが全てだ」のセリフはどう捉えればいいんだろう。
このあたりの考察しりたい。




話自体は
貴族の私生児が騎士としてのホコリを胸に神と姫のために戦う中世騎士道物語といったところ。
王道。


漂着してから辿り着くのはリチャード3をなぞらえてるのかな?



作品自体は歴史大作系。
とくに戦闘シーンはとてもいい。
映像的な魅力に満ちている。


洋の東西、文化が入り乱れる様は本当に美しかった。
サンローランがマラケシュに魅了されたのも頷ける。


それに関していうとオーランドブルームとエヴァ・グリーンがひたすらに美しくてすごい。
特にエヴァ・グリーンのメイクが一人だけヴォーグで完全に古いサンローラン(Dior)のルック。
髪を切って王族やめました…みたいなシーンも庶民になったじゃなくて、よりモードになっただけなのが笑える。




投石機の石が爆発するのとか、映像重視なところがリドリースコットらしくてよかった。

一方で、歴史的にみてその瞬間争いを回避する行動って大切だけど結局先延ばしなだけで、この先10年戦争なくても絶対にいつかぶつかるよなーとも思ってしまった。
十字軍国家の成立を考えると複雑。
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