べるーし

ワイルドバンチのべるーしのレビュー・感想・評価

ワイルドバンチ(1969年製作の映画)
4.5
初ペキンパーはこれ。こちらもメッセージは他のニューシネマ程濃くはなくとも、時代の流れに乗り切れない男の哀愁ある暴力逃亡劇となっております。

特に銃撃戦が全て凄まじく、60年代の映画とは思えないくらいに被弾・暴力描写はリアル。あんな熱量ある銃撃戦をまさか西部劇で観られるとは。ド派手なシーンと言うとオープニングとクライマックスの凄惨な銃撃戦のみであれども、逆に言えばその為の映画であると言えましょう。

それ以外での細かな暴力シーンも良くて。開拓時代末期のアメリカは仁義なき戦いの広島ばりだったんだなと思える様な無法地帯。そこで渦巻く暴力は全て乾いていて、住民や流れ者にとっても隣り合わせというのが凄く面白い。欲求に暴力が加わったんだろうな。

あとは当時の映画としては銃描写が非常にリアル。西部劇にしては珍しくオートマチックのガバメントが出てくるのですが、銃撃の際ちゃんと排莢されていて感心しました。凄く先進的な映画だったワケです。

最後は虚無感ある〆。また最凶に悪い後味がたまらん映画でございました。
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