【障害者ものだけど、作りがたくみ】
韓国映画。試写会に当たったので鑑賞。
知的障害者が長距離走に精進し、ついにフルマラソンで3時間を切るタイムを出すまでを描いている。
私は実を言うとこういう、障害者ものって余り好きではなく、試写会に当たったから見たようなものなのであるが、意外に悪くないのである。
まず、主人公の知的障害者を演じるチョ・スンウが絶妙にうまい。あの笑顔がぴったりなのである。母親のキム・ミスクが劣らずいい。単に献身的な母親ではなく、エゴイズムに駆り立てられ、夫や次男との関係がいびつになりながらも、強引に生き抜いていく普通の人間としての役を見事に演じきっている。コーチ役も、型どおりの熱血漢ではないところが見事で、この辺の作りが巧みだと思う。
絵に描いたような障害者の感動ドラマに終わらず、深みのある人間ドラマになっているところが、買いなのである。