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世界の始まりへの旅のmareのレビュー・感想・評価

世界の始まりへの旅(1997年製作の映画)
3.5
まるで会話を運ぶロードムービーであり、目的地へと向かうことで人物たちの過去の記憶へと接続され、ある種のタイムスリップ感を味わえる。廃墟を歩くマストロヤンニから語られるのは世界の始まり。帰郷に同行することで感化されていく四人の心象、そのうちの一人が後に口にする内容から思わぬ旅の分岐が生まれる。オリヴェイラが会話劇をメインのスタイルにしている監督であることがわかってきたが、ロードムービーを撮るとどこかドキュメンタリーな質感になって興味深い。ポルトガルの歴史や伝承、ノスタルジックな風景が絡み合い、会話のみで時間を跳躍する大胆さがある。
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