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クリムゾン・タイドのBalthazarのレビュー・感想・評価

クリムゾン・タイド(1995年製作の映画)
4.0
双方とも正しく、双方とも間違っていた。造反有理。

クリムゾン・タイド、直訳すると深紅の潮流……意味はわからないけど格好良いから良し!
ハンス・ジマーのテーマ曲も素晴らしい。

Wikipediaによると、JR東日本のCMで、『クリムゾン・タイド』のパロディCMが放送されたことがある。2本放映され、通信士役として田中麗奈が出演……と書いてあった。あ〜、確かに見たことあるぞ!

長野行き新幹線編
長野へ向かう作戦に際して潜水艦ごと長野へ向かおうとする艦長に対し、海のない長野へどうやって行くのかと副長が疑問を呈したところ、通信士が長野へは新幹線が便利である旨を上申する。副長がそれを支持するも、艦長は川を遡り長野へ向かえと命令を下す。それを「あなたは間違っている!」と副長が諫める内容。
30秒枠版では新幹線案を支持する副長に対し、艦長が「貴様は鉄道マニアか。電車の旅大好き人間か!」と罵倒するという、鉄道会社にとっては自虐的ともいえるシーンがあった。

秋田新幹線編
1998年末に、それまで5両編成で走っていた秋田新幹線こまち号が6両編成に増結された。同列車の座席が増えたことをPRしたもの。
秋田へ向かう作戦に際して新幹線を使用するように副長が艦長に意見するが、「どうせ日本人で混んでるよ」と一蹴されてしまう。通信士が秋田新幹線の座席が増えていることを伝えるが「情報が漏れる」としてまたも艦長は一蹴。しかしこの通信士が勝手に新幹線の座席を予約してしまった。仕方なく修学旅行生に扮し学生服姿で新幹線に乗車しようとする艦長たちを「あなたはまた間違っている!」と副長が諫める内容。


ロシアで超国家主義者のクーデターが勃発した、というプロローグ。最近だとゲームのCoDでそんな連中が出てきましたが、1990年代前半の頃だと結構リアリティのある話でした。実際、モスクワ騒乱とかベールイ・ドーム占拠事件とか起きたりしてたし。
ロシアには、ロシアはロシア人の為の国!スラブ民族統一!みたいな事を言ってるロシア版ネオナチといえるルシズム(スラブ民族主義)な人達もいるし、帝国としての大ロシアの復権を夢見るネオ・ユーラシア主義な人達もいますからね。ウラジーミル・プーチンは後者のほうかな。

ロシアの反乱軍がICBMのある基地を掌握し、自らの要求が応じられなければ日米を核攻撃すると脅迫。これに対しアメリカはトライデントSLBMを搭載したオハイオ級戦略原子力潜水艦『アラバマ』を緊急出撃させた。
雨の出港シーンが痺れる。
降りしきる雨の中、整列する全乗組員たち。
そこへ、傘をさした西郷どん…じゃなかったラムジー艦長(ジーン・ハックマン)が愛犬を連れてやって来る。
"And what is that name, Mr. Cob?"「この船の名はなんだ!?」
"Alabama, sir!"「アラバマであります!」
経験豊富な叩き上げのラムジー大佐は、副長であるハーヴァード大学卒のエリートにして黒人のハンター少佐と事あるごとに意見が対立、 両者の溝は深まってゆく。
出港から6日目。北太平洋を潜航中のアラバマに遂に指令が届く。「反乱軍が弾道ミサイルに燃料注入を開始、発射を阻止すべく先制攻撃を加えよ」敵の核攻撃が迫っている…!
そこに反乱軍所属の攻撃型潜水艦が出現し、戦闘を仕掛けてくる。誘導魚雷爆発の衝撃で通信装置が損傷し、受信しつつあった次の指令が述語のない中途半端な状態で中断してしまう。暗号文の解釈をめぐり、「その電文は命令になっていないので、取り合う必要はない」速やかに攻撃を続行すべきだとするラムジーと、「いいえ、中止命令かもしれません。ここは受信機能が回復するまで発射を見送るべきです」という慎重派のハンター。
2人の啀み合いはついに頂点に達する。ハンターはSLBMを発射しようとするラムジーを軍規逸脱を理由に解任し拘禁。指揮権を奪って指令の再確認を試みる。
しかし、引き続く敵潜の攻撃にアラバマは甚大なダメージを負い、沈没の危機にさらされる。沈没はぎりぎりで避けられたものの、我慢できなくなった士官たちはハンターに反旗し、艦長を救い出して指揮権を奪還、再度ミサイル攻撃を敢行しようとする。攻撃が手遅れであれ、誤りであれ、それは最終戦争の引き金となるだろう。極限状況の中、際どい判断が迫られる……。必見です!
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